ギグエコノミー(ネットを通じて入ってくる単発の仕事を請け負うこと)は、働き方を変える大きな要因となっている。これは、労働形態の『ウーバリゼーション』とも呼ばれている。この用語は、複数の短期契約やフリーランスベースの『単発』業務で生計を立てている人のことを意味する。このような仕事は、一般的にウェブサイトや携帯アプリを通じて簡単に見つけることができる。

この種の労働形態は定義や追跡することが難しいが、英国内の総労働力3,200万人のうち、少なくとも500万人がこのギグエコノミーから収入を得ていると推測されている。


3つの労働力:従業員・労働者・自営業者

従業員には自身の業務を行うと共に、雇用者は業務を提供し、そして従業員にはその業務を行うという相互の義務が発生する。雇用者は、従業員が日々の業務をいつ何をどのように行うかという事について管理することができる。
権利と保護という観点からは、次に労働者がくる。労働者の労働形態に関しては従業員よりも自由がある。会社は労働者に対し業務を提供する義務はなく、労働者は依頼を受けた際に業務を行えばよいのである。しかしながら、重要な点としては、労働者はどのような業務であっても自身で行わならなければならない。つまり、代わりの人を送ることはできないということである。
最後にその個人は自営業者である可能性がある。自営業の場合、自身でビジネスを経営するため、自身で道具・設備等を準備し、リスクを負った上で報酬を得ている。クライアントに対し自営業者自らがサービスを提供する義務はなく、その代わりの労働者を提供することが必須となるが、クライアントからは必要以上にコントロールを受けることはない。

雇用形態によって個々の法的権利は様々である。従業員には、不平等による解雇やフレックス勤務に対する権利をはじめとするほとんどの権利がある。労働者にはそういった保護はないが、差別や内部告発保護は該当する。自営業者は税金面では有利だが、従業員や労働者のような権利はほとんどない。

雇用形態の境界線について、テストした最近の事例がある。ウーバードライバーは、いつウーバーアプリにログオンするか、また運賃を受け入れるかどうかを選ぶことが可能であり、自身の車を所有し週何時間労働するか決まっていないにも関わらず、労働者とされている。

雇用審判所は、ウーバードライバーを自営業であるかのような見せている会社の試みに対しとても批判的で、この請負業務に対し「フィクション」や「ねじれ言語」といった言葉を引き合いに出し、一定の距離を保った二つの独立した請負事業によるひとつの事業であるという関係を受け入れなかった。ウーバーとドライバーの関係の実態が一致しないという理由から、雇用審判所は契約書を証拠として却下した。

多くの雇用者は、実際はそうではないにも関わらずこの手の人々を「自営業者」と呼ぶこの「無干渉の」アプローチに心をそそれらる。この事例からも分かるように、雇用形態に関する問題を防ぐ最善策は、雇用者と労働者間の契約が実際の業務内容と一致させることである。雇用形態は、時に流動的であることを忘れてはならない。事実上何らかの変更が生じるかによって、雇用者側のアプローチにも変更が必要となるかもしれないため、労働契約内容を定期的に見直す必要がある。


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