2018年6月13日、最高裁判所はPimlico Plumbers(「Pimlico」)のために働くGary Smith氏(「Smith」)の身分が「労働者」か「請負業者」かが争われた事案で、彼は「労働者」に該当することを確認した。

「労働者」の場合は、最低賃金や休日手当の保障、差別からの保護といった権利が付与されているが、 自営業の「請負業者」の場合は、税制の恩恵と働き方の柔軟性と引き換えに、そういった権利が制限されている。

Smithは、Pimlicoとの間で「独立した請負業者」であるとの合意書に署名した。この契約書には労務提供義務はない旨明記されていたが、追尾装置付Pimlicoブランド車の運転、制服の着用、Pimlico IDカードの所持、管理室の指示への服従といった義務が明記され、また、週40時間の労働を求めるマニュアルが存在していた。

Smithは、Pimlicoが勤務開始から6年後に彼との契約を終了したのに対し、自らは「労働者」に当たるとして、「労働者」としての権利(障害者の差別、休日手当等を追求する権利)を主張した。そして、控訴審裁判所及び雇用裁判所が、このSmithの主張を支持したため、Pimlicoが最高裁に上訴したものである。

控訴審は、Smithは自らサービスを提供することが義務付けられていたかどうかという点、およびPimlicoがSmithの顧客に当たるかという2つの点に焦点を当てた。そして、Smithには自由に代理人を任命する権利がなく自らサービスを提供することが義務づけられている、またPimlicoはSmithに週40時間の労務提供を義務付けていることなどから顧客にはあたらない、と結論した。

最高裁も、Smithの代理人任命権には、代理人がPimlicoで働く者でなければならないといった制限が課されており、自由に行使することはできなかったこと、また、追尾装置付Pimlicoブランド車の運転、制服の着用、Pimlico IDカードの所持、管理室の指示への服従といった厳しい義務の存在、さらに、Pimlicoにとって一方的に有利となっている契約の条項(PimlicoからSmithへの対価の支払時期(顧客がPimlicoに支払うまでSmithには支払われない)等)や契約書に「賃金」、 「重過失行為」、「解雇」といった項目が記載されていることを指摘し、同様の判断を下した。

この判決を前提とすると、個人が「労働者」なのか、独立した「請負業者」なのかは、その契約内容が重要な判断要素となる。

働く人の法的地位(労働者なのか請負業者なのか)については、契約上の形式的な文言よりも、そこに規定されている当事者の義務や権利の内容から、実質的に、使用者がその人を支配していることになるかどうかが重要な判断基準になる。Pimlicoの案件では、契約書上、形式的には「独立した請負業者」という文言があったが、結局は「労働者」であるという認定になっている。

使用者にとっても、働く人にとっても、この判決を契機として、契約の形式面だけではなくその実質面も精査しながら、適切な契約を締結することが重要である。
For further information, please contact Koichiro Nakada – Head of Japan Business Group (koichiro.nakada@lewissilkin.com) and Yoko Nakada - Senior Associate, Deputy Head of Japan Business Group (yoko.nakada@lewissilkin.com).
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