法曹界では「性差別はエンデミック(潜在的な流行病)」- 刑事法廷弁護士が彼女自身の経験を共有することで、英国の法曹界がまだ不平等に悩まされていることを明らかにした。

最近出版されたGuardianの記事の執筆者Charlotte Proudmanさんは、女性と女児に対する暴力を専門とする人権弁護士である。2015年に彼女のプロフィール写真を見た年上の弁護士(年齢がCharlotteさんの2倍)が送信したLinkedInスクリーンショットとツイートの中で、彼女のプロフェショナルについては触れずに、”凄い美人だね” とコメントしたことから大いにメデアの注目を集めた。

それ以来、Charlotteさんは女性陣が法曹界で目撃した性差別について語り続けてきている。男性の裁判官にとっては、気が散るので、女性の弁護士が髪を後ろで結ぶよう求められたり、Bromley 裁判所でのセキュリティチェックで「足を広げる」ことを指示されたり、Charlotteさん自身がこのような内容についてツイートした後「これ以上の情報共有は止めなさい」と脅されたりしたことについて、彼女は法曹界は「まだ偏見に満ちている」と主張している。

実際、Legal Weekによる2017年の調査では、法律事務所で働く女性の64%が職場でセクシャルハラスメントを経験したことが発表された。法律事務所の環境は依然としてかなり男性優位であり、2018年現在、パートナーの女性で占める割合が29%、同じく法廷弁護士で15%、高等裁判所またはその上位の裁判所で女性裁判官は24%でしかない。この不均衡は性別だけには留まらず、英国の人口の13%がBAME(Black, Asian, and minority ethnic非白人種)であるのに対し、裁判官に至ってはこのグループからわずか8%のみである。高等裁判所判事に任命された最初の黒人女性であるDame Linda Dobbsさんは、法廷で彼女がBAME女性として受けた差別の2つの特徴について話した。

法律に基づいて性別、人種、階級を平等にするための努力がなされている。法律専門家団体であるGray's Inn・ Lincoln's Inn・Inner and Middle Templeは、毎年合計で約450万ポンドの奨学金を支給している。Diversity Access Schemeや女性の法サミットなどのプログラムは、以前は軽んじられてきた人種にとってもアクセスしやすくなり、またサポート・認知を目的としたフォーラムも開かれている。最高裁判所長官は近年、彼の下で働く裁判官に対して、極度に差別的な裁判官の名を上げさせ、こういった女性差別は有能な女性が判事の職を求めることを思いとどまらせると警告した。

しかしながら、このような表明は、差別的な行為を受けた人にこのような事態を報告する責任を負わせるリスク(公表することを妨げる要因を取り除くことなく)があり得る。「ガウンの裏で」運動(Behind the Gown movement)を始めたElizabeth Prochaskaさんは、次のように述べている。「ひいき文化の中では、当事者が法廷で懸念事項を表明することは極めて困難だし、また差別的な振る舞いやいじめの当事者の名前を上げるのは仕事面で彼らが必要であるためにほとんど不可能だ。」ソーシャルメディアのおかげでCharlotteさんやJoanna Hardyさんのような女性が、自分たちの経験を公表できたが、法廷弁護士基準審議会(the Bar Standard Board )は、過去5年間でセクシャルハラスメントについてはわずか2件の訴えしか受けておらず、沈黙の文化が根強く残っていると言えよう。


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