苦情申し立て、懲戒処分、いじめ調査、もしくは単なる意見の不一致など、職場での揉め事や対立の解決は企業にとって高コストで時間のかかる可能性があり、職場環境のみならず第三者の企業イメージにまで悪影響を及ぼす可能性がある。 しかし、この問題への対応策がないわけではない。難しい問題であっても効率的にスタッフの問題を仲介しながら解決策を提供することは、経営者や人事担当者にとって満足度と効率性の高い労働力を維持するために不可欠な手段である。

揉め事や不快な状況を回避することは人間本来の自然な反応かもしれないが、企業側は問題に対し速やかに対応し、未解決のまま放置しないようにする必要がある。 米国のトレーニングおよび組織発展を手がける企業 - VitalSmartsの共同創設者であるJoseph Grenny氏は、未対処の揉め事1つにつき、ゴシップやその他の非生産的行動だけで毎週約8時間の業務時間が無駄になり、当事者の生産性も自然に低下すると述べる。揉め事は生産性の喪失だけでなく従業員の健康にも影響を与え、欠勤を増やし、雇用主に対する訴訟のリスクを高める可能性もあるという。

そのため、人事チームと経営者には揉め事を適切に認識・理解・解決する能力が求められる。 しかし、どのようにしたら良いのか?

揉め事を対処する前にまず取るべきステップは、従業員が仕事の問題について気軽に話せるようなオープンな環境をつくることである。 これにより、懸念事項を抱えた従業員の問題に耳を傾けることができるとともに、問題の本質を理解するための適切な質問ができ、事が大きくなる前に潜在的な問題を解決しやすくなる。

論争が起こった時、経験のある仲裁者はその状況を把握し偏らない姿勢で、問題の本質と背後にある感情的な部分を含む全体像を認識する。従業員間の争い・対立が生じた時にはしばしば感情的になるが、こういった感情を適切な環境中で表現することができるようにすることでプロセスが円滑に進み、人事チームが問題をより把握できるようになる。

問題の本質を見極めるために、論争の中心となる従業員と個別面談をすることで、この問題が当事者自身と業務自体にどのような影響を与えているのか、そしてなぜ起こったのかを明確にする必要がある。プロセス全体を通して、当事者全員が納得する解決策を見つけることが求められる。これを達成できるオプションを見つけだす上での有効なツールは、第一に当事者(従業員)の「ニーズ」を把握することである。 つまり、それぞれが求めている解決策を知ることであり、そして最も重要なのはその理由を知ることである。

これに続いて、合意可能な範囲・当事者が合意できる事項を見出すことが大切である。 これにより信頼と相互の義務の再構築が始まり、問題が何であるか、どういったプロセスを取る必要があるか、またはどのような変更を加えることができるかなどに関する合意に至ることができる。そして明らかになっている「ニーズ」を満たす為に、具体的な行動計画や時間フレームといった解決策を立て始められる。提案されたステップが関係者にとって適切であることを確実にするために、ここで当事者全員からきちんとした合意を得ることが重要である。 理想的には、プロセス全体を通して可能性のある代替案が出されることで、その中から全員が納得できる解決策が見つけやすくなる。

合意が成立した後は、この問題解決策が良い形で前進していると関係者が感じていることの確認と効果度をはかるために、当事者とのフォローアップミーティングを含む状況モニタリングの継続が必要である。


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