2019年9月20日(金)、気候変動活動家Greta Thunbergさんの働きかけにより、世界中の数百万人の従業員が、気候変動に対する即時行動を促すストライキを行った。このストライキは、ビジネスの世界に影響を及ぼすよう若者たちが過去数か月にわたり準備した「学校ストライキ」の延長上にあり、同ストライキによる経済的悪影響をきっかけとして政府に行動を起こさせることを意図している。

東京都は、2030年までに2000年時の排出量の30%削減を目指しているが、最近学校ストライキに参加した2,800人の学生は、これでは不十分だと断言している。日本における気候変動問題への認識が高まるにつれ、さらなるストライキが発生する可能性が高くなってきている。

グローバル気候運動に参加するための職場放棄は合法か?

多くの雇用主は気候変動に対する動きを支持するかもしれないが、ストライキは職場の生産性を低下させる可能性があり、最悪の場合は違法になりかねない。 雇用主が尋ねうる最初の質問は、「従業員には『ストライキ権』があるか?」である。英国では、従業員にストライキ権はなく、契約上労働が義務付けられている場合に働かなければ違法行為になる。

ストライキを合法とするためには、労働組合は通知期間および投票プロセスを含む一連の法的な必要要件を遵守しなければならない。規定に従って投票が行われなければ、非公式または急なストライキは法的要件を満たさない場合がある。従って、多くの労働組合はグローバル気候ストライキを支持するものの、ストライキを起こすことを通知しておらず、また通知期間が短すぎるため、従業員はストライキを起こすことができない。ストライキを起こした場合、組合は最大250,000ポンドの罰金を支払う責任を負う。

特定の承認を受けていないストライキへの参加は無断欠勤となる。 英国では、無断欠勤は違法行為であり、懲戒処分となる可能性がある。雇用主は同ストライキへの対応にあたり、企業の評判についてよく考えるべきである。懲戒処分よりも給料の支払いを差し控える方が合理的な場合もあり、意思決定する際は常に企業の社会的責任を考慮する必要がある。

従業員はストライキ参加のために有給休暇を取得出来るか?

英国では一般的に、従業員は自由に休暇を取得できるが、事前に雇用主の承認を得る必要がある。 非公式且つ急なストライキへの参加という理由では、事前承認を得られない場合があり得る。複数の従業員が同じ日に休暇を申請する場合、雇用主に負担をかける可能性があるからだ。 雇用主は、ビジネスが過度に影響を受ける場合には休暇申請をいつでも拒否できるが、その際には企業の評判と社会的責任への影響に十分注意しなければならない。

従業員がグローバル気候ストライキをサポートしたい場合は?

環境政策は企業にとって益々重要になっている。 英国では、32のクリエイティブ企業(デザイン、テック、アドエージェンシ―他)が従業員によるストライキ実施同意書に署名し、休暇の取得を約束した。 その場合、雇用主はストライキに参加していない従業員が不利に扱われないよう注意する必要がある。 雇用主は、内部規定に従うことも変更することもできるが、常に法律は遵守しなければならず、従業員との協議が求められる場合もある。

従業員が許可なくストライキを行うと、雇用主にも同様の負担がかかる。雇用主が従業員と協力し、ストライキの代替として職域内で気候に関する戦略を計画することは、より良い解決策となるかもしれない。

雇用主が講じる気候ストライキ対策の詳細については、弁護士・中田浩一郎(koichiro.nakada@lewissilkin.com)または英国法弁護士・中田陽子(yoko.nakada@lewissilkin.com)までお問い合わせ下さい。また、Lewis Silkin法律事務所の記事もご覧下さい。
For further information, please contact Koichiro Nakada – Head of Japan Business Group (koichiro.nakada@lewissilkin.com) and Yoko Nakada - Senior Associate, Deputy Head of Japan Business Group (yoko.nakada@lewissilkin.com).
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