最近のHall v Chief Constable of West Yorkshire Police [2015]でのケースで、雇用上訴審判所は、障害者である被雇用者の解雇は、障害からくる差別に基づくかを検討した。障害による差別が成立するためには、以下の要件を検討する必要がある。

• Bの障害が原因でA がBを不利に扱ったか、且つ
• Aが、その扱いに対して合理的な範囲でなされたものであるかを証明できたか。

この訴訟は雇用上訴審判所まで持ち込まれた。そして、上訴審判所はその原審判所の判断を取り消して、障害を持つ従業員を障害に関連する病休を取得したことで不適切に解雇したことは平等法2010年の中の障害条項s15(disability under s15 of the Equality Act 2010.)に照らし合わせて差別ではなかったとした。

雇用上訴審判所は、障害から生じる差別の申し立てを以下のように確認した。それは、障害と不利な扱いの間の関係は、ほんのわずかな関連が必要なだけである。このことは雇用者にとって悩みの種となるであろう。その理由は下記の通りである。

今回のケースの中で、ホールさんは財務部長としてウェストヨークシャー警察に雇用され、23年間勤務していた。
彼女はストレス、不安感、、落ち込みで病んでおり、また「上室性頻拍症」(Supraventricular Tachycardia)が原因で長期病休を止むなくされていた。雇用者は、彼女が病休中にパブで働いていたという噂に基づいて、彼女が本当に病気であったかどうか尋問した。

彼女は、査問が在る旨の通知の後、一連のミーティングに心臓手術のため出席できなかったこと、そして出席を求められた懲戒査問委員会の欠席の後に、重大な不正行為があったと認定され解雇された。

雇用審判所の当初のヒアリングでは、そこには解雇と不適切な処遇に十分な因果関係を認めなかった。しかしながらこのケースが雇用上訴審判所にで審判された時に、雇用上訴審判所はこの結論に異議を唱えた。
雇用者の最初の動機(従業員が不正に病休を取っていて、しかも身体障害がないという、偽りではないが正しくはない判断)は考慮されるとしながらも、雇用上訴審判所はこれらのことはこのケースの判断には無関係な事柄であるとした。

このケースに鑑みて、不適切な処遇が結果的に告訴人の障害に拠るものだとしたら、そして従業員がそれを示すことの出来る場合、特に懲戒査問委員会実施や、病休の従業員の調査の際、雇用者は、特別な注意を払うべきであるとした。雇用者側が、従業員の病気に対する信頼性に疑問がある場合でも、慎重且つ的確に調査がなされる必要性がこの事例からもはっきりとわかる。
雇用者にとっての安心材料は、不公平な処遇は適切でありそれは正しい目的を達成するための合理的な方策であったこと、又は、雇用者は従業員が障害であったことを認知していなかったか、通常知る立場にもなかったことを示すことことで、雇用者側は、申し立て請求への審判所の判断を正す機会があることである。しかしながら、このハードルを越えることはなかなか難しい。

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