
慎重さと柔軟性のバランス

二次面接後のお電話でのフィードバックにて
人材コンサルタント:
「ABC社との面接お疲れ様でした。詳しくお話を伺うことができましたか?」
鈴木さん(求職者):
「はい。しかし、求人票に記載の無かった経理の複雑な業務も追加でお願いしたいと言われました。これまでの経験上、その業務はむしろ外部委託すべきだと思ったので、そのようにお伝えしました。」
人材コンサルタント:
「そうでしたか。客観的に状況を判断されたのは素晴らしいと思います。ただ、今後の面接では、想定外の依頼があった場合は、まずは一旦内容を持ち帰り、検討した上で後ほどご回答する、という進め方もおすすめです。そうすることで、冷静で柔軟な対応ができる印象を与えられますよ。」

残念ながら、この求職者の内定は叶いませんでした。
自分の専門的な意見を持つことはとても大切ですが、特に面接の場面では「その場で即座に否定する」のではなく、一旦受け止めた上で持ち帰り、冷静に検討する姿勢も重要です。
面接官が採用後の直属の上司である場合も多く、面接時の印象は入社後の関係性にも影響を及ぼす可能性があります。また、依頼を即座に突っぱねてしまうと、「柔軟性に欠ける」「協調性が低い」と捉えられるリスクもあります。
たとえその依頼が現実的ではない場合でも、「まずは内容を理解した上で、改めて回答させていただきたいので、少し時間をいただけますでしょうか。」と一言添えるだけで、慎重かつ誠実な印象を与えることができます。
就職活動では、スキルや経験だけでなく、コミュニケーションの取り方や柔軟な対応力も重要な評価ポイントです。自分の考えを大切にしながらも、相手と前向きに対話しようとする姿勢が、結果として良いご縁につながることが多いかと思います。