開業40周年記念 センターピープル社長に聞く組織成長の哲学

センターピープルは、創業以来40年にわたり、英国および欧州において一貫して人材採用支援に取り組んできました。

現在はイギリス・ロンドン、オランダ・アムステルダムに拠点を構え、本年の設立40周年という節目にあたり、人材支援をさらに強化すべく、今年3月にドイツ・デュッセルドルフへ新たな拠点開業を予定しています。

本記事では、海外コラボレーション企画の一環として、日本の親会社である総合人材サービス会社の株式会社クイックが、センターピープル代表取締役社長の土谷にインタビューした内容をご紹介します。成長を続ける組織の背景には、どのような哲学と戦略があったのでしょうか。

後半では、その哲学を日々の業務で体現している現地メンバーの声もお届けします。
ぜひ最後までご覧ください!

(※本記事は、外部媒体に掲載されたインタビューをもとに、当社公式コンテンツとして再編集・掲載しています。)

センターピープルの基本情報(2026年1月時点)

  • 1986年設立。2017年にクイックグループに参画
  • ロンドンに欧州本社を置き、英国および欧州全域で高度な人材採用支援を展開
  • 3拠点(イギリス、オランダ、ドイツ)で、EU全27カ国を対応
  • 英国で40年の人材支援実績があり、人材紹介と派遣では在欧日系企業からの知名度が高い
  • 社員数:30名
  • 社内公用語:英語(日本語、フランス語、スペイン語も対応)
  • ビジネスモデル:“求人起点”の一気通貫 – “NO SUCCESS NO FEE”

サービスの特徴

  • 支援層:新卒~エグゼクティブまで幅広く対応し、日本語・英語・現地語に精通した優秀な人材を確保
  • 支援業界:金融・製造・商社・IT・物流・監査・サービス業など多業種
  • 求人:日本語スピーカー以外の案件が60%以上を占める
  • 採用形態: 短期派遣から正社員採用まで、企業の多様なニーズに合わせた最適なソリューションを柔軟かつ迅速に提供
ロンドンオフィス – 80 Cheapside

アムステルダムオフィス – Strawinskylaan 4117

―― (クイック)本日はお時間いただきありがとうございます。はじめにマーケット環境について伺います。欧州ではコロナ禍やブレグジット(英国のEU離脱)など、近年は特に大きな変化があったと思うのですが…

「おっしゃる通り、ここ数年はマーケット変化が激しく、特にコロナ禍は厳しい時期でした。センターピープルでは主に欧州に進出する日系企業の支援を行っていますが、2020年春のロックダウン直後には、新規の求人数が月約5件まで激減しました。コロナ以前は常に月50件ほどありましたから、そのインパクトの大きさが分かるかと思います。 競合他社の中には、この変化に対応できず淘汰されていったところもありました。」


―― そんな中、センターピープル社はどのようにして勝ち抜いてこられたのでしょうか?

「私たちは、この逆境を『発想を転換する好機』と捉えました。求人がないなら『求職者起点でご支援を生み出していこう』と。私達が企業に応える責務は、求職者の登録の質で決まります。紹介の原点である、人を知ること、登録にこそ、時間と投資を惜しみません。企業側も、コロナ禍で優秀な人材が市場に流出していることは理解していましたから、私たちが自信を持って推薦する人材であれば、積極的に話を聞いてくれました。従来の“求人起点”のビジネスモデルにとらわれない“人材ベースでの提案”という逆張りの戦略が功を奏したのです。

また、皆様におかれましてもコロナ渦中は忍耐の時期でありましたが、当社の組織戦略においても大きな転換点となりました。市場環境が厳しさを増す中で、私たちは改めて「人材こそが企業価値の源泉である」という原点に立ち返り、短期的な成果に偏ることなく、持続的に価値を生み出せる組織づくりを重視してきました。改めて、「人にこだわり、組織で戦っていくことがいかに大事か」ということを痛感しました。

個人の力に依存するのではなく、チームとして知見や経験を共有し、一人ひとりの強みを最大限に活かす体制を構築すること。その結果、求職者一人ひとりに対して組織全体で向き合い、最適なマッチングを実現することが可能になりました。この姿勢こそが、厳しいマーケット環境下においても安定した成約率と継続的な信頼につながっていると考えています。」


―― 逆境の中での戦略転換、そして「人」への強いこだわりが、成長の原動力になったのですね。2024年の年頭には、新たなフィロソフィー(哲学)を打ち出されたと伺いました。

「私たちが目指す姿は『すべての在欧日系企業の皆様から、最も信頼される総合人材サービス会社になること』です。そして、その実現に向けて「言語の枠を超え日本基準のサービスを提供するグローバルエージェント」であること、「最高の職場の先駆者であり続ける」ことを掲げました。

「最高の職場の先駆者」には、「隣の芝は青くない。まずは自分たちが羨ましがられるような職場を体現しよう。」という強い想いを込めています。現場で良い事例があれば、社内のナレッジや組織の取り組みとしてまとめ、顧客へ紹介させていただくこともあります。」


―― 新たに策定された背景には、何かきっかけがあったのでしょうか?

「大きなきっかけは、2024年に初めて開催した「経営幹部合宿」です。
普段のミーティングとは別に、あえて週末に集まり『10年以内に欧州No.1になる』という私たちの”夢”を本気で語り合いました。

『今の我々の組織体制や伸び率なら絶対に可能だ。最大のチャンスが来ている。では、そのために何が必要か?』と突き詰めて議論する中で、立ち返るべき指針が明確に言語化されていきました。

その議事録を全メンバーに共有し、『どう思う?』と対話を重ねたところ、『今まで見えなかった経営陣の夢が、現実のものとして感じられた。』、『新拠点設立や売上目標へのイメージが湧き、自分のやるべきことがクリアになった。』といったポジティブな声が多く挙がったんです。

夢物語で終わらせず、具体的なマイルストーンに落とし込み、個人の成長へと繋げていく。このサイクルが生まれ始めています。」


―― 全社で同じ夢を共有し、そこから個人の目標に落とし込んでいく。まさに理想的な組織運営だと感じます。日々の業務の中で、特に大切にされている価値観はありますか?

「私たちの行動指針として、3つのカンパニーバリュー(社訓)を定めています。

  1. Consideration(思いやり)
  2. Imagination(想像力)
  3. Improvement(前進)

『関わったすべての人を”本当の意味で”ハッピーにする』ためには、この3つが不可欠です。単なる『会話』は、時に一方通行になり得ます。相手の立場を思いやり、その背景にあるものは何か、頭をフル回転して想像力を働かせ続け、常により良い状態を目指して前進し続ける。

この3つが揃って初めて、真のコミュニケーションが生まれるのです。もし何か一つでも欠けていたら、メンバーに『なぜこれを想像できなかったんだろう?』と問いかけたり、『悔しいときや辛いときほど、前進するためにアウトプットしよう』と声をかけています。私たちは、ひとつのチームですから。」


―― その価値観は、社員を採用する際にも重視されているのでしょうか?

「もちろんです。自社採用においては、学歴や職務経験といったハードスキルも当然見ますが、それ以上に『人間力』を重視しています。私たちのカルチャーにフィットすると思えば、求職者として登録いただいた方にお声がけすることもあります。

最終的な意思決定は私が行いますが、そこに至るまでのプロセスにおいては、現場のメンバーがそれぞれの立場や専門性から候補者を多角的に評価し、丁寧に情報を積み重ねていきます。”Four Eyes原則゛の考え方と同様に、複数の視点で確認することで、表面的な印象に左右されることなく、その方の本質や適性をより正確に見極められると考えています。

そして何より、選考に関わったメンバーには『自分たちが選んだ仲間だ』という責任感が生まれます。それは、新しい仲間を迎え入れる温かい体制づくりにも繋がっていく。組織がどれだけ大きくなっても、この『みんなで仲間を迎える』というプロセスは、ずっと大切にしていきたいですね。」


―― コロナや円安の影響で、欧州で働く日本人が減っているというお話もありました。センターピープル社の今後の展望についてお聞かせください。

「欧州における日本人人材のマーケットは、駐在員の削減や若者の海外志向の変化などにより、縮小傾向にあります。私たちのご支援においても、日本人とローカル人材の支援比率が、今や4:6ほどに変化しています(もともと英語対応が中心だったので、スムーズにシフトできました)。

しかし、単に人材を紹介するだけでは、企業の長期的な成長や社員の定着(リテンション)を支えきれないという危機感を私たちは持っています。そこで私たちが注力しているのが、企業の課題やニーズに深く寄り添う『包括的なHRサービス』です。たとえば、国際ライセンスを持つ当社幹部によるコーチングや、駐在員とローカル社員のコミュニケーション支援、評価制度の構築など、企業の組織力を高めるための人事コンサルティングを提供しています。

こうすることで、単なる採用支援にとどまらず、企業の成長の土台を一緒に築き、長期的に価値を提供するパートナーでありたいと考えています。

欧州に進出している日系企業は、本社が大手であっても、現地法人は少人数で、人事制度が十分に整っていないケースも少なくありません。私たちが40年で培った知見を活かして、そうした組織課題を解決することで、リテンションや組織力の向上に寄与します。これは単に新サービスの売上を追求するのではなく、企業とより深く、長期的な信頼関係を築くための布石でもあります。

HR部門を立ち上げて間もないにもかかわらず、予想以上に多くのお問い合わせをいただいています。HRサービスをきっかけに、人材紹介や派遣ニーズの獲得につながるケースも増えており、まさに『点』のサービスが『線』としてつながっていく手応えを感じています。今後も『人材紹介』という軸を大切にしながら、企業のあらゆる人事課題に寄り添い、社員が長く活躍できる組織づくりを支援するパートナーを目指していきます。」


―― 素晴らしい循環ですね。まさに「線」のパートナーというお話でしたが、さらに広く「面」で貢献されているような取り組みはありますか?

「そうですね。私たちの取り組みが、欧州で奮闘する日系企業の成長に少しでも貢献し、プレゼンスを高める一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

幸いにも、おかげさまで本年はセンターピープル開業40周年を迎えます。40年の歴史や実績の中で皆様から良い評判をいただく機会に恵まれました。それを基盤に、在欧の日本国領事館や日本商工会議所、大手コンサルティングファーム様と連携させていただきながら、日系企業様向けの合同セミナーを欧州各国で開催しております。」

オランダ・センターピープル社主催のセミナーの様子

「最近では、新たに着任された駐在員の皆様に向けたセミナーに150名もの方がご参加くださり…私たちが持つ知見やネットワークが、こうしてコミュニティのお役に立てることが、また新たな信頼となり、コアビジネスにも繋がっていく。本当にありがたい好循環が生まれていると感じます。

一社一社のお客様と『線』で繋がることはもちろん、こうした取り組みを通じてコミュニティという『面』全体に貢献していく。そんな存在でありたいと、強く願っています。」

ロンドンオフィスにて、センターピープルのコンサルタントの松岡がインタビュアーとなり、同じくコンサルタントのWilliam、Caspian、包括的なHRサービスをリードする吉野にインタビューを実施しました。
センターピープルへの入社理由や同社の強み、大切にしている価値観などについて、等身大の言葉で語ってくれています。
ぜひご覧ください!