Dec 2017 – クリスマスパーティーでの混乱:イベントシーズンに人事トラブルを防ぐには

クリスマスシーズンももうすぐ最盛期。待ちに待ったオフィスのクリスマスパーティーは、通常会社のイベントの中でも目玉であり、リラックスした雰囲気の中で、社員が自由に楽しめるチャンスである。通常、社員の一年のハードワークをねぎらう良い機会であるが、緊張感のゆるみと大量のアルコールが原因でトラブルが起こることもよくある。

Westlake v ZSL London Zoo (ET/2201118/2015) は、クリスマスパーティーで起こった大きなトラブルを含めた興味深いケースである。これはロンドン動物園での三角関係と、数年前にそれによって起きたクリスマスパーティーでの喧嘩にまつわる事件である。ラマの飼育員であったデイビスさんは猿のスペシャリストであったサンダースさんとかつて恋人同士であった。しかし、彼らの関係は長く続かず、この事件が起こった時にはデイビスさんはミーアキャットの飼育員であるウェストレイクさんと新たに付き合っていた。クリスマスパーティーは動物園で開催され、従業員はドリンク券が配られた上、さらにバーからも飲み物が買えるようになっていた。

デイビスさんとサンダースさんの別れ話は上手くいっていなかったと見え、パーティーでサンダースさんとウェストレイクさんは喧嘩になった。その結果、サンダースさんは顔をグラスでぶたれたことで重傷を負い、ウェストレイクさんも口論の末、怪我をしてしまった。パーティーの後、会社は懲戒手続きを始め、ウェストレイクさんを解雇とし、サンダースさんには最終警告を発し今後の会社イベントへの出席禁止を決めた。
当然とも言えるかもしれないが、ウェストレイクさんは彼女の罰の方がサンダースさんのものよりもだいぶ重いとして、雇用審判所に申し立てた。雇用審判所は、どちらが先に喧嘩を始めたかについては十分な証拠がなく、よって解雇の処罰はフェアではないと判断した。そして、その理由として雇用審判所は、動物園が両名を合法的に解雇するか、もしくは両名に最終警告を出すことも可能であった点を指摘した。

この事件はクリスマスパーティーに潜む危険とリスクについて語っているが、ここで今年のクリスマスパーティーでの混乱を防ぐ方法をお伝えしたい。
・オープンバーには注意を -飲み放題はイベントの特典だが、従業員が酔っ払ってふざけても会社が無礼講として認めているともいえる。
・もしもウェストレイクさんと動物園のような事件が起きてしまった場合には、正式な罰を決定する前に、適切かつ公平な調査をすべきである。
・どの従業員も公平な機会/多様性を与えられ、アンチハラスメント研修を受けるべきであり、またその証拠は残すべきである。
・会社としてイベントやパーティーでの適切な振る舞いについてのポリシーがあると良いかもしれない。また、前もってイベントで起こりうる問題について従業員に伝えておくのも良いアイデアだ。

ほとんどのオフィスパーティーが楽しいものである一方、明確なポリシーを作っておくことで起こりうる人事トラブルを未然に防ぐこともできる。

メリークリスマス!