第3回 長いトンネルの先に見えた光

飯塚: さて、今後いよいよプロとしての勝負が始まるわけですが、どのような思いでこれから世界に羽ばたいていかれるのでしょうか。

リリーさん: 欧州には身体が大きい選手が多いものですから、私のテニスのテクニカルなところを大事にしながら、体力作りを行っていきたいと思います。テニスの試合では様々な難しい局面に出会いますが、「今」に集中することを心掛け、雑念が入らないようにする方法を、ジュニアから大学時代で経験した国際大会を通して学んできました。こうして自分が成長していることが実感できる「今」が好きです。2018年の11月に世界ランキング上位の選手との試合で勝利できたことは一つのブレークスルーだと感じました。

飯塚: ウィンブルドンに出場することは一つの目標ですが、その先についてお気持ちを聞かせて下さい。

リリーさん: はい、長いトンネルかもしれませんが、その先には一筋の明かりが見えるように思います。

飯塚: それは優勝ということですか?

リリーさん: はい。そうだと思います。

—-インタビューを終えて—-

飯塚様へ
 今日は貴重な時間をありがとうございました。今までテニス一直線で生きてきて、私にとっての三角波は全てテニスに関することでした。そしてその波が自分を成長させてくれています。でも、テニス以外の三角波に直面したことがあまりないのは、恵まれているのだと気付きました。両親が守ってくれているのだと思います。この環境に感謝しながらウィンブルドンを目指します。美味しいランチをごちそうさまでした。

宮崎百合子(リリー)より

—後書きにかえて—
一言でいると、リリーさんは大きな試合に出ても動じない、強い精神力を持つまさに大物出現という感じでした。2019年の夏には日本人女性の渋野選手がゴルフ全英女子オープンで優勝しましたが、本日リリーさんとのインタビュー中に渋野選手の顔が図らずも私の心に浮かんできました。これから数年のうちに、このインタビュー記事が非常に価値あるものとして評価されることを期待しています。そして優勝の瞬間にウィンブルドンの観客の一人として応援席にいたいと思います。また、リリーさんは試合中のエネルギー補給にはバナナではなくデーツであるとの秘密もお聞きしました!