May 2018 – 日本での #MeTooモーメント

福田淳一財務事務次官セクハラ疑惑で更迭

福田淳一元財務事務次官が女性記者に対するセクハラ疑惑によって辞任した。しかし、辞任はしたものの週刊新潮に掲載された、福田元事務次官がテレビ朝日の匿名の女性記者に対してセクシャルハラスメントに該当する発言をしたという件については完全に否定している。

週刊新潮は福田事務次官が女性にキスを要求する音声データを公表し、事務次官の声とされる音声で「胸触っていい?」「手縛っていい?」「予算が通ったら浮気するか?」という様子を報道した。

福田事務次官は、これが自分の声なのかよくわからないとのコメントを発表したが、相手が不快に感じるようなセクシュアル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない、と否定した。録音には女性記者がセクハラを訴える声は含まれていない。週刊新潮は、事務次官は他にも省庁を担当する他の女性記者に対して同様の不適切な発言をしたと指摘した。

麻生副総理兼財務相は当初、福田元事務次官は財務省のトップ官僚であり口頭での警告を受けて十分に反省しているとし、この申し立てを却下する姿勢を示した。しかし、世間からの批判を受け、もしこれが事実であれば福田事務次官は解任であるとし、財務省は弁護士に調査を依頼し、今までにセクハラを受けた女性はこの調査に協力するように方向性を変えた。このやり方は物議を起こし、財務省は25,000人もの署名とともに被害者の権利を保護するべきだと訴えられた。

福田氏は1982年に旧大蔵省に入省し、財務省主計局長を含むいくつかの重要な役割を果たした後、昨年7月に事務次官に就任した。当初、辞任の意思はないとして週刊誌を名誉毀損で訴えると言っていたが、プレッシャーに押され、自分の仕事を継続することが困難な状況となったとし、辞任せざるを得ないとした。福田氏は裁判所に申し立てをする予定でいる。

スキャンダルに悩まされる政府

米山隆一元新潟県知事が女性問題によって辞任を決めたと同日に、福田氏も辞任を決めた。米山元知事は出会い系サイトで出会った女性と金銭授受を伴う関係があったと報道された結果により、辞任した。彼は金銭は支払っていないと主張したが、それでも自身の行動が「売春のように見える」と認めた。
森友学園の国有地の格安売却価格が例外的に非公表とされていた事件により、すでに安倍晋三首相に対する評判が下がりつつあったところに加え、これらのスキャンダルは更に政権を弱める結果となった。

日本の#MeToo活動

日本でははいくつかの有名人のセクハラに関する事件が報告されたものの、日本での#MeToo活動への牽引力を得るまでには時間がかかっている。テレビ朝日は、財務省が福田氏の辞任を日本の#MeToo活動の一環であるとした件に関して、正式な抗議するつもりだと伝えた。篠塚浩報道局長は、女性記者が公の場に出ようとした際に、彼女の評判を傷付ける可能性があるとして思いとどまらせようとしたことを謝罪している。これはグローバルな#MeToo活動に触発され、ビジネスやメディア業界、また政界においてセクハラと暴力に関するクレームの扱い方が変化してきたことに起因する。

ルイス・シルキン法律事務所の取り組み

福田氏の辞任に先立ち、日本の新聞労働組合は女性のより良い職場環境を求める文書を発行した。ルイス・シルキン法律事務所は同様の目的を持ち、職場におけるセクハラに対する変化を求めるキャンペーンを行っており、女性の職場環境を恒久的に改善するよう企業・組織をサポートしている。

ルイス・シルキン法律事務所は、性別に関する問題に対して積極的に取り組もうとしている企業・組織にそれぞれの企業や組織の文化に合ったアドバイスを提供し、サポートしている。