Oct 2023 – 労働党、雇用法に関する計画を発表

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労働党が雇用法の抜本的改革を計画していること先頃開催された労働組合会議TUCTrades Union Congressでの演説で発表した。


2024年に実施予定の次期英国総選挙を見込んで、労働党は過去40年間で間違いなく最も大規模な雇用法改革を公約に掲げてきた。

労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、先頃リバプールで開催されたTUC大会での演説で、労働党が政権獲得後100日以内に雇用権法案を提出することを約束した。 これは、公約内の「働く人々のためのニューディール」の一部である。

今日までの労働党の広範な改革提案には以下が含まれる:

  • 勤続2年要件の撤廃を含む、不当解雇保護の大幅な変更
  • ゼロ時間契約の禁止
  • 仕事と家庭を両立させるための提案(つながらない権利、フレキシブルワーキング権の拡大、育児休暇の権利の強化など)
  • 現存する「従業員」と「労働者」のステータスの区別を撤廃し、すべての従業員/労働者に広範な権利を保障することを含む、雇用形態の改革に関する提案
  • 業界別の団体交渉や様々な「反労働組合」法の撤廃を含む労働組合の権利の拡大に関する広範囲な提案、とりわけ2016年労働組合法とそれに関連する争議行為の制限の撤廃

先日の演説でこれらの提案の多くが発表された。 特に労働組合改革に焦点が当てられ、労働党は最初の100日以内に様々な「反労働組合」法の廃止を議会に求めること確認した。 その他にも、初日からの基本的権利、ゼロ時間契約の禁止、解雇と再雇用の廃止、すべての労働者に対する傷病手当の改善など、重要な改革が列挙された。


どのような法改正であれ、細部が極めて重要である。労働組合の権利に関しては、急速な変更が約束されている。 しかし、個人の権利に関する改革については、最初の100日以内に雇用権法案を提出することだけが約束されている。 特に、妊娠・出産からの復帰者に対する解雇保護の拡大や、新生児休暇と手当の新たな権利といった現在の政府改革のように、詳細が施行規則に委ねられている場合は尚更、実際の変化がそれほど早く起こるとは限らない。


演説に先立ち、いくつかのメディアは、労働者の権利に関するいくつかの主要な公約が希薄化する可能性を取り上げていた。 労働党の政策フォーラムは7月、単一の「労働者」のステータスを創設する提案について協議することで合意しており、「試用期間が公正で透明性のある規則とプロセスによる限り」これを妨げないとして、(不当解雇を含む)「初日から」の権利に関する計画に警告を発していた。 このような細かな問題は先日の演説では取り上げられなかったため、提案のいくつかは当初の公約に掲げられたような急進的なものになるかどうかはまだ分からない。

とはいえ、労働党が提案する改革案が施行されれば、英国雇用法はここ数十年で最も大きな変革を遂げることになる。 雇用主は、自社の経営への潜在的な影響について事前に十分な検討を始めるべきである。


 もし特定のケースにおいて具体的なアドバイスが必要な場合は、Abi Frederick Abi.Frederick@lewissilkin.com(LewisSilkinLLP法律事務所)又は弁護士 中田浩一郎 koichiro_nakada@btinternet.com に連絡をお願い致します。


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